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映画 Archive

[映画]「インディジョーンズ・クリスタルスカルの王国」

  • Posted by: 華猫
  • 2009年7月18日 22:28
  • 映画

ちょっとまえにWOWOWでやってたヨー

この映画公開された時、なんで今ごろ、と思ったものだけど、実際観てみると、ほんとに、なんで今ごろ、って気が;
ハリソンフォードも、スピルバーグも、ルーカスも;

そりゃーまあ。
いきなりクライマックスで冒険百連発で最後までクライマックスなドタバタアクション冒険活劇としてはふつーに面白いんだけどー
でも、昔のシリーズを観たときほどの面白さって感じない......
なんつーか、オヤクソク、アリガチ、ああやっぱりね、そうだよね、の連続で。
スピルバーグ作品では最高額の制作費なんだそうだけど、みょーにチープさを感じる。
これほんとにスピルバーグが監督してるん?まるで新人さんが撮ったような気もして来る。

もーツッコミどころいっぱいだし。
謎の磁力とか。火薬なんかより銃のほうが強烈に引き付けられそうじゃん?しかもなぜか布で覆っただけで遮られる磁力とかさ。
なにより、序盤の核実験場、いくらなんでもあれ助からんでしょー;
スピルバーグ、リベラル派を自認してる割に、原子爆弾についてこの程度の認識なのぅ??;

昔のシリーズが。それこそ、20世紀前半に流行った冒険活劇のノリを目指してたのは確か。
最近、ブレンダンフレイザー主演・ソマーズ監督で「ハムナプトラ」がその流れの正当な後継者かと思ったんだけど......若者達に対抗心燃やしたのかしらん;
しょーじき「インディ4」より「ハムナプトラ1」のほうが面白いヨ;
(インディ1の「レイダース」が、「ロマンシングストーン」だの「ハムナプトラ」だのより面白いのは確か。ソマーズ監督はCG多用で画面の質感が足りないんだよねえ;)

今作はもー昔のシリーズのファンへのサービス、後日談みたいなものなのかね。
ショーンコネリー(ヘンリー1st)が写真でだけ登場したり、かと思うとインディの息子、ヘンリー3rdが出て来たり(これ、「トランスフォーマー」の主役の人なのねえ)。
ヒロインのマリオン、第1作の「レイダース」のヒロインだけど、女優さんもそのまま同じ人なのがちょっと嬉しい。
人間関係のドラマが細かくなってるのは、やっぱり、制作側が老けた証拠なんだろうなあ......なんつっても19年後ですから......(現実も映画の中も)

今回の悪のヒロイン、あれーとおもうとケイト・ブランシェット。
この人、こういうパワフルなねーちゃんの役にはまってる。
でもオチは充分予想出来ちゃったけど......
どうせなら、あの遺跡がまんまロケットになって飛んで行って欲しかったかもw

鑑識米沢守の事件簿

  • Posted by: 華猫
  • 2009年4月 1日 19:49
  • 映画

というわけで観てまいりましたヨ。

しょーじき。
面白かったっす。
オフビートなコメディ。劇場版の一作目よりか完成度高いんじゃないかなーと思った。
エレファントカシマシの主題歌に騙されてはいけない;
コーエン兄弟のノリに近い?ストーリーはシリアスなんだけど展開はコメディ。
一作目と違って、もっと肩の力抜いて気楽に作ってるなー。

とにかく主役が、六角さん、非二枚目・非スターなもので……
曲者ばかりの配役が絶妙。

萩原聖人、……なんか……ちょっと見ないうちに、オッサンくさくなった気がする;
ワタシ的には、「CURE」の無気味な青年の印象が強烈で。役所広司との絡みがもー危ない危ない(非性的な意味で)。あの終始緊張しまくった映画の中で、いちばん尖がったキャラ……

あーあの彼が刑事ねーて。
熱いんだけど、なんだかハズしてるし、彼が真面目に熱血するほど、ギャグになってく;


伊武雅刀は出てくるだけで笑ってしまう(笑)……ある意味今回の事件で2番目の被害者じゃないかと……(セクハラだのなんだのと、散々な目に遭ってるんだよね;劇中では悪いことしてないのに)
染五郎も巧いねえ。天下の美男、梨園のプリンスなのに、決して二枚目な役じゃない。色男っぽく出て来たのに、なさけなくなったかと思うとだんだん無気味な存在に……こういうキャラクタ、ほとんど初めてじゃなかろか;
そして片桐はいり。巧いよこの人(笑)最初はコメディエンヌだったのに、最後のほうでエライ凶悪な顔になってるのは……わざとそういう画にしてるんだろか。

米沢さんの万能ぶりにワラタ(笑)

大人の科学て;

そういや、鑑識課の課長さんが登場したのも初めてかな。

というか米沢さん以外の鑑識課の人が喋ったのも初めて。

いつもだと、右京サンがノビ太よろしく「たすけて米沢さ~ん~~~」といってくると、米沢さんがドラえもん然として、「はいっ、ポリメラーゼ連鎖反応~」だの「ニンヒドリン指紋検出~」だのって鑑識秘密道具取り出すわけですが。(いやPCRは鑑識の範疇じゃないか)
今回は主役。無表情だしアクションしないし、それでも主役。


とにかく、シナリオが秀逸だとおもった。
推理モノとしては肝心の“犯人の告白”はなんだか納得いかんけど。えーそこで全部喋っちゃうのー、て。時間なかった……?

まあ“刑事物”なんだから事件が解決して終わるのはわかりきってるんだけど、その途中が読めない読めない。
特命係以上に暴走してる、米沢さん&萩原コンビ。上に呼び出される回数は特命係以上だよ;そのへん、そういやアメリカの刑事物っぽい。
大風呂敷でもなく、痛烈な社会批判な部分もむしろスパイス程度に、すんなり落ちるところに落ちた。
しか――し、最後まで推理が外れまくってるんだよね……(笑)

そういや、この映画、誰もがみんな、間違えてるんだよね。いろんなことを。
唯一、科学だけが正しい。

結局……米沢さんの元妻は最後まで出て来ないのね、と思うとエンディングがっ。


全体。犯人当てじゃなくって、ドラマやストーリー、配役にコメディ、って、映画そのものを楽しむ映画なんだなーと。
一作目は一度観れば充分て思ったけど、これはまた観に行きたくなった。


おまけの相棒7.5。……また神戸君主軸か。
「尻」という言葉がミョ――に耳に残ってしまうワタシは腐れ要素があるんでしょーか……
ダレダヨ、あのシナリオ書いたの;
(及川光博起用ってあたりから、女性向けにシフトしつつあるんじゃないかって気がして来たヨ)

寺脇とミッチーじゃ、ファン層、被らないだろうなあ。
「相棒」、シーズン5のあたりが絶頂期だったように思うし(その頂点が「バベルの塔」で)
キャストもほとんど変わらず……だってキャリアの方々すら8年間出世してないんですよ;片桐刑事部長にしろ、岸辺官房長にしろ、神保監察官にしろ、捜一の面々も鑑識もヒマ課長も……きっと、画面に出て来ない人達は出世してるんだろう……特命係と口聞いた人間はみんな出世できないんだヨ……揚げ句の果てが神戸君なんか、2階級降格だし。
まるで時代劇のようなマンネリズムの打破として、“相棒”のチェンジしたのだろうけど、相棒どころかイメージやファン層までチェンジしそうな気がする;


ちなみに客層は、年配の夫婦らしき男女、30前後の男二人組(言葉遣いがオタっぽかったなあ)、それ以外は2・30代の女の子ばかりだった気がするヨ。

相棒 劇場版

  • Posted by: 華猫
  • 2009年3月30日 03:11
  • 映画

さっすがに地上波初放送だけあって、ほぼノーカット&えげつないCMの入れ方もしてなくて、録画派には嬉しい限り。
ついでに神戸クンの映像も追加されててファンサービス。

まあ。劇場版の2作目が封切りしたばかりだもんね。
ガンガン売り込み攻勢かけてますヨ。
えーえ、必ず観に行きますともサ。
......今度こそはパンフ買いたいヨ......去年は買えなかったんだよ......売り切れてて......

未だに、「相棒」がホントに人気があるのか、さっぱりわかんないんですが。実のところ。
だってー土曜ワイド劇場の時代から観てるんだもん......他所から評判聞いて観始めたんじゃなくて、初めて観たときから、おもしれーって追っかけてたので。
まあ......週間視聴率ドラマ部門で2位((cache) ランキング[視聴率] - Yahoo!テレビ.Gガイド [テレビ番組表]関東地区 3月16日~22日)とか、チャットで話してもワカル人がまあまあいるとか、そのへん、ある程度は人口に膾炙してるんだな、と。
(私ゃあんまりTV番組見ないし、映画っつーても別にマニアでもなく単に気になったの摘まみ観してるだけだから、エメリッヒやロドリゲスやティムバートンや黒沢清の良さについて延々と語ったり、ホドロフスキーがよかったとか、ユーリノルシュタインやヤンシュバイクマイエルてスゲエ、ていってもわかってくれる人が、ファンコミュの外じゃいないんです......)


その追加部分。
......なんで右京サン、ロンドンにいるの;
しかも神戸クン日本に置き去りにして......神戸クン、右京サンの監視役じゃなかったんですか;
きっと......「相棒」の放送がいつも毎年、秋から春の半年間だけなので、夏の間は特命係自体が休業なんすね;

あと、5課の課長さん。先だってのs7最終回でもちょこっと出て来たパンダのコップ。
たしか以前は使い捨てのカップ使ってたんですが、とうとうマイカップを持参してますヨ。
あのコーヒーメーカー、薫ちゃん去りし後は課長さん専用になってたわけですが。
神戸クンは紅茶党なのかコーヒー党なのか......っ?
(課長入ってくるなりコーヒーメーカー使ってるんすけど、しかーし神戸クンのデスクにカップの類いは見当たらない......課長さんがわざわざ自分用にあのコーヒーメーカーで淹れておいたようだ;)
密かに、本編ではDOS/V機(おそらくDELL。しかもXP以前のWin、あるいはXPでクラシックモード)だったPCが、iMacになってたりするんですが。
イタミンが神戸クンに敬語使ってるのも新鮮だ......階級(警部補と巡査長)からすれば当然なんだろーけど、薫ちゃん相手のときはタメ口だったから、びみょ――な違和感が(笑)
「と・く・め・い・係の神戸警部補ッ」、てなんだか字余りだよねー。

レギュラー陣が口々に「TVで劇場版が!」......て一気にメタフィクションな展開に。まー「裏相棒」とか観てると、アリガチ、て笑えるんすけど、そこで神戸クン一人だけ取り残されて驚いてる......

あーそっかー神戸クンてツッコミ役に徹するつもりなのかーて思っちゃった。
最近、右京サン=ノビ太君説がワタシの中で膨張しつつあるんすけどね。米沢さん=ドラえもん、イタミン=スネオ、刑事部長=ジャイアン、て。
んで、薫ちゃんや神戸クンは読者なんじゃないかと。視聴者代表といってもいい。ホームズに対するワトソン。
かつての薫ちゃんは、土曜ワイドのときのノリで、かなり低目に視聴者を想定してたわけでしょー。――視聴者をバカにしてるて意味でなくて、あんまりアタマ使わなくてもいい、てこと。
......でも最近の回、やったら右京サンの台詞がくどくて、わかりきってることワザワザ繰り返して説明してたりしたんですが。片棒になってたので受け止める相手を想定できなかったゆえなんだろか;
神戸クンは最初からインテリの設定なんで。......先だっての「サヴァン症候群」て言葉、どれくらい知られてるんすかね。神戸クンはスラっと出てきてたけど。
難解な右京サンの言葉の翻訳者として配置されたのか......いわゆるナレーター......「説明しようメカの素」てカンジで。

しっかし、あれだけ個性派&劇団系のベテラン俳優ばかりに囲まれてると、ミッチーてつっくづく綺麗な顔してるよなーと思っちゃった。とても今年四十とは思えん(笑)
(世代がほぼ同じなんで気になるんですぅ;;;特に年齢がっ)
てか、「相棒1」で薫ちゃんこと寺脇が初登場したときのほうが若いんですが。
ついでにいうとセリィ芹沢こと山中聡のほうがミッチーより1つ下だったりしますよ。陣川こと原田龍二も同い年。
......このシリーズでは30・40はハナタレ小僧なんですヨ。
あの軽薄さといい、浮き世離れした雰囲気といい......「だが、それがいい」てなもんで。


えー肝心の、劇場版本編については。

ナンダカ、なんだよな;
メッセージにチカラ入れすぎて肝心のドラマがgdgdになってるというか......シナリオがなあ;脚本家、手慣れた人なんだけどね;
そこを和泉聖治監督の力量でまとめてはいるんだけど。
キーワード詰め込み過ぎと、あと、登場人物出し過ぎ。
まるでアイドル映画のように、無理やりにでも準レギュラー出しまくってて、ドラマが希薄になっちゃってる気がする。鹿手袋やヒロコママまで出てるし。
ファンサービスなんだろうけど、しか――し、そういったアイドル映画のノリにしては、メッセージが痛烈過ぎるわ(笑)

例えば、癌で余命半年な人がああも次々人殺せるんか、とか(実行犯は柏原崇のほうかもだけど)。
なんでわざわざチェスでヒント教えてるの;とか。右京サンに気付いてもらえなかったら、あれだけ仕込んでもまるで意味ないじゃん。
なんで柏原崇まで殺されちゃったのヨ、とか。
柏原は青酸カリで自殺したにしても、爆弾まで仕掛けたのはなぜ?
本仮屋ユイカや右京サンが駆けつけてくることは想定外だったはずで、誰が何のために時限爆弾を仕掛けたんだか。
......という具合にツッコミどころ満載なんすよもー。
脚本、よっっっっっぽど苦労したんだろうなあ。3時間か、1時間×3回のドラマだったらもちっとスマートになったんだろうな。
なんかさ......ページ制限とか時間的な締め切りのために、無理やりシーン詰め込んで、取り合えず場面場面は成り立ってるけど全体としてはgdgdになっちゃった、けどまあいいか、このキャラにどうしてもこの台詞言わせたかったし☆............て、そういう自分の経験がまざまざと思い起こされて来ちゃいますデスヨ。

正直。
シーズン5の正月スペシャルだった「バベルの塔」のほうがずっと面白いし完成度高いっす;
完成度つーなら、先だってのシーズン7最終回の「特命」のほうが上出来だし。
「バベルの塔」は多分未だに、「相棒」ん中での最高傑作だよー。そしてきっと和泉監督にとっても......
シーズン5全体、名作多いんだよねー。「名探偵登場」とか「女王の宮殿」とか「殺人シネマ」とか。多分あのころがスタッフ・キャストともに絶頂期だったんだろか;
そう思うとなんだか寂しいけど。
だからこそ、右京サンの"相棒"もチェンジしたんだろうなあ。(寺脇もう47じゃ若造って歳じゃないんだよね;)


あのガラスのチェス板は好きだ。特にパンフを下から当てるシーンはもー感服するくらい巧いっ。
あのチェス板もかなり昔っから出てくるし、いつかあのネタ使ってやろうと思ってたんだろうなーと。

「蒲田行進曲」

  • Posted by: 華猫
  • 2009年1月 2日 01:15
  • 映画

深作の。TVでやってたのでついつい観てしまう。

つかへい×深作デスヨ。
もーシナリオも演出も配役も完璧。
笑って泣ける堂々たる大作。

82年の映画だけあって……風間杜夫若いwww松坂慶子も若い(笑)平田満は、あんまり変わった気がしないねえ。

なんでも。戦前に、東京の蒲田に松竹の映画撮影所があって、そこのテーマソングが「蒲田行進曲」。
この映画でもテーマ曲になってる、有名な曲。
元はアメリカの「Song of the vagabonds」。
Youtube。→http://jp.youtube.com/watch?v=nxF0q9618cY
んで、その撮影所を舞台にした群像劇を、つかこうへいが台本書いて舞台化して、さらに深作欣二が映画化したのが、この映画。

なんだけど。
よくよく観ると、映画の舞台はあくまでリアルタイムの1982年の京都の東映撮影所(うずまさ映画村で有名な)なんすよ。
これってある意味すごいヨ;
ライバル会社が舞台で、モロにそのライバル会社を髣髴とさせるタイトルをつけて(つかへい、脚本を小説化したときは、いったん、「銀ちゃんのこと」ってタイトルにしてるんだよね)。
映画界の舞台裏なんて、古今東西どこもまあったく変わんない、って意味なんだろうけどさ(笑)

風間杜夫演じる銀ちゃんが主役みたいに書かれてるけど、実際、ストーリーの中心は、平田満の安ちゃん。
この配役からしてスゴイというか……「2枚目で目立ちたがりやだけど大根のスター」って、それこそ当時の風間杜夫への評価そのままだし(笑)
(風間杜夫、昔はそういわれてたんだよ……あの長い台詞をよく言えたもんだってちょっと感心しちゃったw)
当時の平田満てどうだったろう……なんかもースターに心酔する取巻きって役にハマりすぎてて。

この映画のテーマって、一言でいうなら、撮影所の狂気なんだよね(笑)
銀ちゃんにしろ安ちゃんにしろ、蟹江啓三の監督(深作監督まんまじゃないかって気がする)にしろ、原田大二郎の演じる銀ちゃんのライバルにしろ……
誰も彼もが狂気に取り憑かれてやがる。
安ちゃんがあれほど銀ちゃんに服従してるのも、実は銀ちゃんなんかじゃなくてその背中の向こうにある撮影所、映画界てものに狂恋してる。
イイ映画を撮るためなら人死にも辞さない……
クライマックス、いよいよ階段落ち撮るぞーってときに、撮影所の社長とか重役方がみんな集まって来ちゃう、なんてもー恐いくらい。

でもなにが一番恐いって、そういう撮影所の狂気が、誇張はあれど、現実ってとこなんだよなー。
(撮影中の事故死なんてよく聞くしなあ。ビッグモローやブランドンリーが私の知る範囲では有名だけど。主役が撮影中に事故死したケース)

最後の最後、病室のシーンすら、セットでした、ってオチも圧倒的。
(ハリウッドの「ゲットショーティ」もオチが似てるけど、アリガチなきもする)
まるでエッシャーの絵のような入れ子構造だわ;

深作って、狂気をよく撮ってる気がする。
「四谷怪談」ももろにそうだし。「バトルロイヤル」とかさ。

「シッコ」

  • Posted by: 華猫
  • 2008年10月26日 14:41
  • 映画

マイケルムーアのドキュメンタリー映画。
ところでMM監督は、コレが日本語でお小水の幼児語を意味すると、知っててタイトルつけたんだろか。
知ってるにしろ知らないにせよ、言い得て妙だヨナ、と。

アメリカの医療保険問題なんで、今回は、ジャパニーズには完全に対岸の火事で、その分気楽に見られる。

まあ観る前から予想できたハナシだが、アメリカの医療の現状ってヒドイやね。
まるで中世のヨーロッパや日本のようだわ;
こういうの見ると、新自由主義なんて、新でも自由でもないやね、ってつくづく思っちゃう。

MM監督のスタンスはハッキリしてるので。
この映画も、現状を淡々と多角度から記録したものじゃないから、どこまで実情に則してるのか、しょーじき、ワカンネ。
明らかなウソは書いてないだろうけど、なにを映さなかったのか、どこを強調したのか、とかとか。

このへん。MM監督への批判もけっこう出てる。
マイケル・ムーア監督の新作『シッコ』にさまざまな声 - 米国 国際ニュース : AFPBB News
PatioTalk: [シッコ] マイケル・ムーア vs. 米国医療業界


例えば、アメリカとの対比として出てくる、ヨーロッパの国々。
イギリスで医療費が完全に無料、っていうのはホントなのかどーか。
(追加料金を払うとより高度な医療になるんじゃん?)
フランスも確か、社会福祉がかなり手厚くて、子供4人作ると親は事実上、働かないでも暮らしていける――(ってニュースを別のとこで見た気がした)

カナダも例に上がってたけど......うーん、以前、日本のワイドショーで、カナダの子沢山の人の紹介してたんだけど、そのとき、キャスターがちょこっと言ったことが気になってる......(番組で調べてみたら)カナダより日本のほうが公的な児童福祉が充実してる、のどーのと。
ほんとかよー。

どうせなら日本との比較も挙げて欲しかったけど、しかし、そのシーンがあったら冷静で見られないかもね。

まあそういった比較はさておき。

完全に市場原理に任せられるほど、人間って善意に溢れてるわけでもないんだから(アダムスミスはマルクスと同じくらいにお人好しだと思う)、こういった人の生存権に関る最低限の部分は、国が負担すべきだよなー。
例えば、水道や公共交通といったインフラ、治安維持や防災、軍隊だって、ほとんどの国は公営でしょ。
(そういうのを国がやらないとしたら、国家という組織はなんのために存在するんだか)
医療保険の問題は、医術にはメチャクチャ金がかかるんだから、金をかからないようにするか、あるいは誰かが肩代わりしてやるかしかないわけで。

日本は公的保険でやってるけど、ヨーロッパでは税金でやってるとこが多いのかな。イギリスや、北欧、フランスなんかは税金だよね。
確かに、そういう国々は税金も高いけど。(たまに誤解してる人もいるけど、デンマーク、食料品にもキッチリ25%の消費税かかってたよー。まあ、このへんの税金は、朝令暮改みたいなもんで、選挙ごとに変わるっぽいね)
しかし、税金も、自分達の財布の一つと考えれば、選挙に無関心じゃいられないでしょ。
自治体にプールしたカネの使いみちの問題なんだから。


ふと思った。
「アメリカ」といった場合に思い浮かべるものは、いったい、なんだろう?
なんとなく、アメリカ政府とそれを支持する国民って一体に感じられて、例えば、「アメリカは悪の枢軸だ」みたいにいうと、実際に各国に軍隊派遣したりしてるのはアメリカ政府なんだけど、「アメリカ」という個人がやってるように思える。

だけど、実際はそんな一枚岩なんかじゃなくて。
まさに軍や銃規制の問題。
軍事大国であるアメリカ、個人個人が武装してるんだから、国家が強力に武装するのもアタリマエに思えるけど、でも、アメリカで銃規制がなかなか進まない理由のひとつとして、むしろ、武装した公権力(他にも野生動物やネイティヴも)から個人を守る、って考えがあるようで、それはそれで理解できる。
民主主義の枢軸を宣伝してる国なのに、なんだろう、この、不信感は......
だから、市民の生活基盤のうち、私営と公営の割合のうちで公営を大きくしようとするという社会主義に強烈な忌避感がある、のもワカル。

だけど、現在の、自由主義経済の暴走を目の当たりにしちゃうとねー。

映画で取り上げられてる、憐れな人々は、実はごく希な例外なのかも知れないよ。
日本で生まれてくる赤ん坊1000人のうちの3人くらいは流産・死産、あるいは生後7日以内に死ぬのと同じように。
人類の歴史からすると、99.7%の赤ん坊は生後7日以上生存するってのは、実はすごいことで、やっぱり現代文明ってスバラシイんだけど、でも、死んでしまった赤ん坊にしてみれば不運な0.3%ではなく1人の死であり、その家族には1人分の悲劇なわけで。
それと同じで、保険会社は、映画の印象からするよりはもう少し真面目に、医療保険をはらっているのカモ知れない。でもどうしても取りこぼされる人が出てくるわけで、どんなに制度がよくできてたとしても、除外された人からすれば理不尽だよな。
(日本で消費税や住民税を払ってるのに政治に参加できない外国籍の人、もおんなじだな)

実際にどれくらい、アメリカの民間の医療保険が市民の役に立ってるのかわからないけど。しかし保険会社が巨大なビルを建てる資金のどれくらいが、加入者の支払った掛け金で成り立ってるんだろか。
(まさか、掛け金を集めて投資した、その利益だけでビルを建ててるわけじゃないよね)


映画のクライマックスは、後半の911の救助活動に参加した民間の罹災者達。
彼らを危険も顧みずに人命救助をした英雄と賞賛することも、あるいは後先考えない向こう見ずで軽率な人とそしることもできるよ。しかし打算ではなく善意からきた行動に対して、国家は報いていないわけで。「頑張った人が報われる」国を標榜しているんじゃなかったのか。

MM監督が中心にしたかったのは、まさに、その911関係の問題だそうで。
彼らをつれて、カリブ海の青い空の下に船出したMM監督。体重で船が沈まないかちょっと不安。

場面はグアンタナモ収容所、そしてキューバと移るんだけど、このへんの展開が、笑って泣けるほど痛快。
キューバといえば、カリブ海の楽園にしてコテコテの社会主義の国、アメリカの保守層が蛇蝎のごとく忌み嫌う不倶戴天の敵で、冷戦時代は裏庭に吊るされたダモクレスの刃。
そういう国で、平均寿命がアメリカよりも長いなんて、強烈な皮肉じゃん。
(キューバの暗部についてはサッパリ書いてなかったけどさ。なんでそんなに仲の悪い国に、アメリカ運営の収容所があるんだろうね?)
最後、キューバの消防隊員達がずらっと並んで彼らに敬礼するシーン、あざといんだけど泣けちゃうね。


MM監督って。
社会主義者とかどーとかってよりもなによりも、まず、映像作家なんだよね。
事実に即したフィクションというか......
あくまで、MM監督個人のスタンス、思想、価値観、見方を固持してる。
とはいえ、彼は画面に自分自身を登場させ、あくまで自分の責任で映画を撮ってる。
そういう姿勢が、なにより好きだなー。

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